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遮音設計を目的とした騒音測定

遮音設計とは、計画地の周辺環境騒音を調査し、その結果に基づいて、計画建物の室内騒音レベルが所定の基準値を満たすよう、外壁、窓、給気口などの必要な遮音性能を決定するプロセスです。

騒音測定においては、一般的な騒音レベルの測定に加え、遮音設計では、音の成分である周波数特性の分析が不可欠です。 これは、防音材の遮音性能が、JIS A 1416:2000で定められた125Hz~4kHzの1/1オクターブバンドで評価されているためです。 そのため、遮音設計における騒音測定では、1/1オクターブバンド単位での測定が標準となっています。

 

測定事例

弊社では、これまで都内を中心に、900件を超える遮音設計の実績があります。 主な対象は10階以上の集合住宅ですが、低層ハイクラスマンション、タワーマンション、葉山や強羅といったリゾートホテル、学校や病院などの公共施設に至るまで、幅広い建物の遮音設計に携わってきました。
音源の高さに合わせて最大12メートルの高所測定を実施したり、3点法による距離減衰予測を導入したりするなど、建物や環境の特性に合わせた多様な測定手法を取り入れることで、より精度の高い遮音設計を実現しています。

 

 

 

 

測定計画書の作成

現地の事前調査を行い、目的に適した測定方法をご提案いたします。 事前調査で音源の位置や音の伝搬方向を特定することで、遮音設計に必要な測定を効率的に実施するための最適な測定ポイントをご提案します。 既存建物や駐車場など、様々な状況下においても、安全性を確保した上で、より正確なデータ収集が可能な測定ポイントを提案いたします。

 

 

測定結果の集計

騒音レベルの測定結果は、環境省『騒音に係る環境基準の評価マニュアル』に基づき集計します。 同時に JIS A 1416:2000 に準拠した 125Hz~4kHz までの 6 バンド1/1オクターブバンド等価音圧レベル(Leq)を算出します。 遮音設計は、この算出した1/1オクターブバンド等価音圧レベル(Leq)を基に実施します。

 

遮音計算方法

遮音計算には、信頼性の高い日本建築学会が推奨する計算方法を用いており、より正確な予測を可能にします。

複数の条件でシミュレーションを行い、計算結果が室内騒音目標値を満たす最適な組み合わせを検討します。 通常、外壁材は事前に決定しているため、窓や給気口などの開口部材を選定し、全体の遮音性能を調整します。

遮音計算においては、安全率の設定が非常に重要です。 JIS A 1416:2000の試験結果は理想的な環境下での測定値であり、実際の建物では、室内の条件や仕上げ材、施工精度などにより、遮音性能が低下することがあります。 一般的に、1割程度の遮音性能低下を考慮した安全率を設定することで、より現実的な予測が可能となります。 これにより、実際の室内騒音値に近い計算結果を得ることができ、より確実な遮音設計を実現できます。

NC値による評価

室内騒音レベルは、デシベルによる評価に加え、NC値による評価も行っております。 複数のシミュレーション結果を比較することで、デシベル値とNC値の関係性を分析し、より詳細な評価を行うことが可能です。

NC値は、空調機器騒音など、定常的な騒音の評価に広く用いられています。 特に、周波数特性を考慮した評価ができるため、静かな室内空間の評価においては、騒音レベルだけでは捉えきれない低周波音の影響を詳細に把握することができます。 このため、NC値は静かな室内空間の評価に非常に有効な指標と言えます。