近隣ビルの屋上に設置された設備機器から伝搬する音を測定しました。 一般的にビルの屋上には大型の設備機器が設置されていますが、周辺のビルより高い建物では、これら周辺ビル屋上に設置された設備機器の騒音が、最も特徴的な騒音源の一つとなります。
今回の場合では問題となる音源(屋上の設備機器)から37m程度離れていましたが、24時間の連続測定を行ったところ、設備機器騒音の有無による大きなレベル差を確認する事が出来ました。
設備騒音が止まった瞬間のレベル波形図
20時8分に設備騒音が止まった後は、周辺広範囲から伝搬する道路騒音だけが聞こえていました。 設備騒音発生中のレベルは67dB、暗騒音のレベルは60dBなので、レベル差は7dBとなります。 24時間のレベル変動を観測し、設備騒音の発生時間帯を調査しました。
20時台の途中で設備騒音が止まっているため、20時台のレベルはまだ設備騒音の影響が残っていますが、概ね10時~20時までが設備騒音が発生している時間帯だという事が分かります。 設備騒音の発生している時間帯と、止まった直後の暗騒音に着目して周波数分析を行いました。
最も大きくレベルが違う周波数帯域は1kHzで、約10dBの差がありました。 逆に63Hzではほとんど差がありません。 この結果から今回の設備騒音の特徴は1kHz帯域の音であり、この周波数帯域に着目した遮音部材の検討が望ましいと判断できます。
今回は屋上の設備騒音を対象に測定を実施しましたが、設備騒音のレベルは37m離れた地点でもかなり大きなレベルでした。 今回の場合は日中のみの発生で夜間の設備騒音の影響はありませんでしたが、深夜まで営業するオフィスビルや飲食店、ホテルなどが周辺にある場合は、ある程度距離が離れていたとしても十分注意する必要があるかもしれません。