鉄道軌道端からの42m離れた位置にある立地で、鉄道軌道と測定地との間には民家等があり、間には2車線道路がある環境で鉄道騒音の測定を行いました。 測定ポイントからは間の民家の隙間から鉄道軌道が僅かに見る事が出来ますが、民家より高くなれば見通しが良くなるため、レベルが大きくなることが予想されます。
今回の測定では5階窓面を想定して現況地表面+14mの高さにP1、2階窓面を想定して現況地表面+2mの高さにP2を設定しました。
受音点の高いP1の方が僅かに高いレベルになっていますが、最もレベル差が大きい0時で4dB程度の差で、それ以外の時間帯では3dB以下の差となりました。 レベル差が小さくなった要因として近接道路の道路騒音の影響が考えられます。
周波数特性を見ると125Hz以下の低い周波数帯域ではP2の方がP1を上回っていますが、低い位置では最も近い音源である道路騒音の影響により低い周波数帯域のレベルが上昇し、これにより2点のレベル差が小さくなったのだと予想されます。
では鉄道騒音だけに着目した場合はどうでしょうか。
鉄道騒音では500Hz以上の周波数帯域でレベルが大きくなっていますが、着目した騒音源の異なる2つの周波数分析結果から、低所では直近の騒音源の影響を強く受けますが、高所では遠方からの伝搬音の影響を受けやすい事が確認できたかなと思います。 遮音対策としては低所では道路騒音に対する遮音対策が主になりますが、高所では鉄道騒音に対する遮音対策を行わなければなりませんが、特徴的な周波数帯域が異なるため、特性に合った防音建材の線額が必要になります。