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高架鉄道の高さの違いによるレベル差

高架鉄道に近接した位置に高さの異なるマイクロホンを設置し、高架より高い位置と低い位置のレベル差を測定しました。

 

今回測定した高架の高さは、直下の道路面から高架の底面までが約6m、高架側壁の最上部までが約8mになります。   それに対しマイクロホンの高さは5mと12mに設定しましたので、5mの高さでは高架構造物の振動や高架上部からの伝搬音、12mの高さでは高架の側壁の影響を受けない高さで高架鉄道の直接音が対象となります。

 

下のグラフは赤線が5m、青線が12mです。
鉄道の通過の無い暗騒音のレベルにはほとんど差はありませんが、鉄道通過時のレベルは大きな違いがあり、最大ではdBも差がありました。

 

2点で同時に10本の鉄道通過騒音最大値のを観測した結果、最大値のレベルは高さ5mでは75dB、高さ12mでは85dBとなりました。  それぞれの高さのレベルのエネルギー平均値を求めた結果は、高さ5mでは75dB、高さ12mでは81dBとなり、平均値の差は6dBとなりました。

 

また平均値に対する周波数分析を行った結果は下表の通りです。

レベルは大きく違うはずなのに250Hz以下の周波数帯域ではほとんど違いがありません。   これに比べて500Hz以上ではレベル差が大きくなり、特に2kHzでは10dB程のレベル差となりました。   この結果から高架より低い位置であっても低い周波数帯域の音に対しては、高架より高い位置と変わらない遮音対策が必要になる事が分かります。   また高架より高い位置では、高周波に対してレベル差以上に十分な遮音対策が必要になる事が予想されます。

 

今回の測定から高架下と高架上ではレベルが大きく異なる事が確認できましたが、騒音対策を行う場合は全く異なる周波数帯域に着目した対策が必要になる事が分かりました。   十分な遮音性能がある建材で遮音対策を行ったとしても、想定していたより遮音性能が出ない場合は、建材の音響透過損失値の周波数特性に原因があるのかもしれません。