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室内騒音予測計算方法(2)

前回は日本建築学会【実務的騒音対策指針 応用編】計算例 1-7 (各部位からのデシベル合成による方法)を参考とした、室内騒音予測計算方法をご紹介させていただきました。

今回は、同じく日本建築学会の【集合住宅の遮音性能・遮音設計の考え方】3. 野外騒音に対する遮音設計 (表3.i 室内騒音計算例)のデータを用いて、計算の進め方や注意点をご説明させていただきたいと思います。

とは言いましても、計算方法に変わりはなく、変わるのは採用するデータと計算過程だけです。 前回の計算にデータのみを入れ替えても同じ結果になりますが、計算過程が資料と同じなら比較も出来ますし、参考資料と違いのない結果は気持ちの良いものです。 一部、僅かに誤差があるように見えますが、エクセル上の表記方法として数値が異なって見えるだけなので、最終的な値が同じであれば気にしなくてもいいと思います。 (例えば 21 と 21.5 は違って見えますが、セル内の実際の数値は 21.456…なので、セルの表示方法が異なるだけで、内容は同じ数値です)

表3.i 室内騒音計算例)に加えて全ての行には計算式を載せています。 計算式通り進めていけば結果は同じになるはずです。

注意点として、室内表面積の計算ではサッシなどの開口部を考慮する必要はありません。  また、外壁の面積は、外壁(wh)から窓面積 (WH)の除いた面積で、この時、基準化した給気口の面積(1㎡)を除く必要はありません。

A特性音圧レベルから、室内騒音レベル(dBA)を求める式は以下の通りです。

=10*LOG(SUM(10^(A1:F1/10)))

範囲は 125Hz~ 4kHz のA特性音圧レベルを指定してください。

ただし、窓・外壁・給気口ではA特性音圧レベルを求めてないので、騒音レベル(dBA)の計算時に補正する必要があります。

=10*LOG((10^((DY133-16)/10))+(10^((DZ133-9)/10))+(10^((EA133-3)/10))+(10^(EB133/10))+(10^((EC133+1)/10))+(10^((ED133+1)/10)))

今回の計算方法では表3.i 室内騒音計算例)のA特性補正値を用いて計算を進めましたが、実際のデータを用いた計算では、 JIS Z 8731 や JIS A 4706 で規定されているA特性補正値(小数点第一位までの数値)を用いた方がよいと思います。

その場合は下記の式を使用してください。

=10*LOG((10^((DY133-16.1)/10))+(10^((DZ133-8.6)/10))+(10^((EA133-3.2)/10))+(10^(EB133/10))+(10^((EC133+1.2)/10))+(10^((ED133+1)/10)))

室内騒音予測計算は、室内騒音が基準値に適合する事を目的とするだけでなく、外壁部材や仕上げ材を変えた場合の騒音影響を比較することで、最適な設計条件を導き出すための有効な手段です。