今回は外部騒音に対する室内騒音の計算についてご説明させていただきます。
計算方法は日本建築学会【実務的騒音対策指針 応用編】計算例 1-7 「各部位からのデシベル合成による方法」になります。
実際の計算式をエクセル形式でご紹介しますので、そのままコピペしてご利用ください。
まず初めに、外部騒音の測定を行う際は FLAT 特性が基本となります。 A特性の逆補正により FLAT 特性を近似する事も出来ますが、一部の周波数帯域で十分なSN比を得られない場合がある事に注意してください。 周波数範囲は 125Hz・250Hz・500Hz・1kHz・2kHz・4kHz の6バンドです。 (遮音部材の音響透過損失の周波数範囲に合わせます)
外部騒音の測定条件によって、⊿Lo の補正が必要になる場合があります。 補正が必要な条件は以下の通りです。
a. 更地での測定
b. 線音源に対してなす角度が 20度以上である
補正が必要のない条件は以下の通りです。
a. 音源側にある壁などの反射面から 3.5m 以内に測定点を取った場合
b. 線音源に対してなす角度が 20度以下である
細かい条件については、環境省のウエブサイトより「騒音に係る環境基準の評価マニュアル(道路に面する地域編)P39(2)反射音の補正等の方法」をご確認ください。
⊿Lo の補正量については日本建築学会が規定する量(+3dB)を用います。
外部騒音の計算
Lout=Lo+⊿Lo
Lout:設定する外部騒音
Lo:外部騒音の実測値
⊿Lo:反射音の補正値(+3dB)
各部位からの室内騒音の計算
Li=Lo+⊿Lo-TLi+10*log(Si/A)
TLi:各部位の音響透過損失
Si:各部位の面積
A:室内吸音力
室内吸音力は室内総面積と平均吸音率の積で求められますが、簡易的には日本建築学会の資料が参考になります。
洋室:7,8,9,10,10,10,
和室:8,9,10,10,10,10
(それぞれ、125Hz,250Hz,500Hz,1kHz,2kHz,4kHz) 図-1.21 集合住宅の室内吸音力実測値より
部位ごとに求めた計算結果を合成します。
=10*LOG(10^(L1/10)+10^(L2/10)+10^(L3/10))
A特性補正値をかけて室内騒音レベルを求めます。
=10*LOG(10^((L.125Hz-16.1)/10)+10^((L.250Hz-8.6)/10)+10^((L.500Hz-3.2)/10)+10^(L.1kHz/10)+10^((L.2kHz+1.2)/10)+10^((L.4kHz+1)/10))
実際の計算式は以下のようになります。
この式内の計算条件は日本建築学会【実務的騒音対策指針 応用編】表-1.5 計算例 1-7a を参考にしています。
室内吸音力は平均吸音率から求めていますが、室内総表面積は室内吸音力の値を建築学会の資料と合わせるために、適当に設定したものです。
計算中は丸めは行っていませんが、表記上は小数点第一位まで表示しています。