騒音に関わる法令

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騒音に関わる法令

騒音に関わる法令

このページは、騒音・振動に関する相談、測定、行政対応、報告書作成において、 実務上参照される主な法令・基準の位置づけを整理した技術解説ページです。

1.騒音案件で参照される主な枠組み

騒音に関する実務では、ひとつの法律だけで全てを判断するわけではありません。 実際には、環境基準、規制法、自治体条例、用途地域、個別マニュアルなどを、 案件の内容に応じて確認していきます。

区分 主な内容 実務上の見方
環境基準 生活環境の保全及び人の健康の保護に資する上で維持されることが望ましい基準 行政上の目標としての基準であり、規制基準とは性格が異なる
騒音規制法 工場・事業場、建設工事、自動車騒音に関する規制 規制対象、指定地域、届出、基準などを確認する
振動規制法 振動に関する規制 騒音と併せて確認が必要な案件がある
自治体条例 都道府県・市区町村ごとの上乗せ・補完規定 東京都では環境確保条例が重要になる
用途地域 住居系・商業系・工業系などの地域区分 基準値や扱いの確認の前提となることが多い
測定・評価マニュアル 音源別の測定方法、評価方法の整理 実務では法令本文だけでなくマニュアル確認も重要

2.環境基準の位置づけ

環境基準は、環境基本法に基づいて定められる基準であり、 「維持されることが望ましい基準」とされています。 したがって、環境基準は直ちに個人間の紛争をそのまま解決するための 一律の民事基準ではなく、行政上の政策目標としての性格を持ちます。

騒音の環境基準は、環境基本法第16条に基づいて定められています。 一般的な騒音については「騒音に係る環境基準」があり、 道路交通騒音、航空機騒音、新幹線鉄道騒音などは、 音源の性質に応じて別の基準や評価方法が整理されています。

3.騒音に係る環境基準

一般的な環境騒音については、「騒音に係る環境基準」が参照されます。 現行の基準では、評価手法として等価騒音レベル(LAeq)が採用されています。

また、道路に面する地域については、道路条件や地域区分を前提として、 達成状況を評価する枠組みが設けられています。

対象 主な考え方 備考
一般地域の騒音 地域の類型ごとに環境基準を設定 評価は等価騒音レベルが基本
道路に面する地域 道路条件・車線数・地域区分等を踏まえて評価 戸数把握を含む地域評価の考え方がある
道路交通騒音以外の音 航空機騒音、鉄道騒音、建設作業騒音等は原則として別途整理 同じ枠で一括評価しない

4.航空機騒音・新幹線鉄道騒音

航空機騒音と新幹線鉄道騒音は、一般の環境騒音とは別に整理されています。 航空機騒音では Lden を用いる評価体系が採用されており、 新幹線鉄道騒音についても専用の環境基準と測定・評価マニュアルがあります。

したがって、音源が航空機や新幹線である場合は、 一般環境騒音の考え方だけで判断せず、専用資料を確認する必要があります。

5.騒音規制法

騒音規制法は、工場及び事業場における事業活動、 建設工事に伴って発生する相当範囲にわたる騒音、 ならびに自動車騒音に関する制度を定めた法律です。

実務では、まずその案件が法の対象となる音かどうか、 指定地域かどうか、特定施設や特定建設作業に該当するかどうかを確認します。

区分 実務上の確認点
工場・事業場 特定施設に該当するか、指定地域内か、届出や基準の確認が必要か
建設工事 特定建設作業に該当するか、届出対象か、作業時間等の基準を確認するか
自動車騒音 環境基準と規制法の双方の位置づけを整理して扱う必要がある

6.振動規制法

振動が問題となる案件では、騒音だけでなく振動規制法も確認します。 工場・事業場、建設工事、道路交通振動など、 騒音と振動が同時に問題となる案件は少なくありません。

特に、低周波音や建物の揺れ、機械設備由来の苦情では、 音だけでなく振動や構造伝搬の確認が必要になることがあります。

7.東京都の条例と用途地域

東京都内の案件では、国法だけでなく東京都の条例も重要です。 実務では、騒音規制法・振動規制法に加えて、 東京都環境確保条例による基準や運用を確認する場面があります。

また、用途地域は基準確認の前提となることが多いため、 対象地点の用途地域を地図で確認しておくことが重要です。

住居系地域、商業系地域、工業系地域では、 同じ騒音でも扱い方や確認の出発点が異なることがあります。 そのため、測定地点の用途地域確認は、初期整理として重要です。

8.実務での確認順序

騒音案件では、最初から数値だけを見て判断するのではなく、 次の順序で整理すると全体が崩れにくくなります。

順序 確認内容
1 音源は何か。道路、工場、機械設備、建設工事、鉄道、航空機などを整理する
2 対象地点の用途地域、周辺状況、受音側の位置関係を確認する
3 環境基準をみる案件か、規制基準をみる案件か、条例をみる案件かを切り分ける
4 必要に応じて、音源別の測定・評価マニュアルを確認する
5 目的に応じて、測定方法、評価量、報告書の整理方法を決める

9.注意事項

騒音に関する法令は、案件ごとに参照すべき資料が異なります。 同じ「騒音」の相談であっても、行政上の環境基準を確認すべき場合と、 規制法や条例の基準を確認すべき場合とでは、見方が異なります。

また、個別案件では、法令本文だけでなく、 告示、運用資料、測定・評価マニュアル、自治体資料などを 併せて確認する必要があります。

このページは、騒音に関わる法令・基準の位置づけを整理した技術解説です。 個別案件の法的判断や、特定案件への適用可否を直接示すものではありません。